北斗七星の歳差運動とは、天球上で 北斗七星 [1]
が、地球の歳差運動[2]のため、
約2万6000年[3]の周期で、
天の北極に対して角距離を変化(近づいたり離れたり)する現象のこと。
北斗七星の日周運動[4]や年周運動[5]の動きは地球の自転と公転によるものである。
一方、歳差とは、地球の自転軸がコマの首振り運動のような回転をする現象のことをいう。
歳差運動の原因は、太陽や月の潮汐力によるもの(日月歳差)[6]と、
惑星の引力によるもの(惑星歳差)[7]を併せて赤道の歳差としている。
ほかに黄道傾斜角が変動する現象を黄道の歳差といい、惑星からの引力が原因とされる。歳差には、赤道の歳差と黄道の歳差を併せ持つ。
天の北極の位置は、地球の公転面に垂直な方向の黄緯が+90度となる位置を
黄道北極とし、黄道北極を中心に、
黄道傾斜角の約23度26分(約23.4度)を角半径とする歳差円を周回する。
黄道座標系を基準にすると、赤道座標系が振れ回る動きをするから、
春分点が
黄道に沿って西向きに移動し、天の北極と天の南極が回転移動をする。
北極星とは、天の北極に最も近い輝星である。
北極星は歳差運動のため、歳差円に近い輝星を移り変わる。また、該当する輝星が無い場合もある。
天の北極を基準にすれば、すべての恒星は、天の北極に近づいたり遠ざかったりするように見える。角距離の最小と最大の差は約47度(黄道傾斜角の2倍)である。
北斗七星の7つの星のうち歳差円までの角距離が最も近づく(約10度)ζ星ミザールに注目すると、天の北極にミザールは近づいたり遠ざかったりする歳差運動の周期は 約2万6000年という長期である。
歳差運動によって北極星が移り変わることはよく知られているが、北斗七星が歳差運動によってどのように動くのだろうか。
天文シミュレーションソフトで過去の年代を設定すれば設定年ごとの見え方はわかるが、動きを連続して見ることは難しい。
そこで連続2万6000年のアニメーションを試みた。
このアニメは2万6000年前から現在まで1000年ごとに北天の星図を天文シミュレーションソフトで作成し、つなげて連続アニメとした。
設定条件として、北斗七星のζ星ミザールが子午線を通過する時正中を選択した。
実際の動きは日周運動に比べると、 歳差運動による星の動きは微々たる変化なので、ほとんど止まっているといえる。 しかし、何千年かの連続した動きは大きいものだ。
北斗七星は天の北極に近づいたり、遠ざかったり、大きな変化がある。柄杓の角度も大きく変化する。
北斗七星が天の北極に最も近づいたときはBC2800年頃。ζ星ミザールと 天の北極は角距離約10度になっていた。 このときの北極星はりゅう座α星トゥバンであった。
北斗七星が天の北極から最大に離れるときは、天頂よりも南側で子午線を通過する。
「北斗」ではおかしい。
北斗七星には「